ヤギとゆかいな仲間たち

りさヤギなりのまじめな思考から、周りで日々起こる1本ネジが外れた脱力系の出来事までを、飾らず繕わず、ありのままに記録しています。

ねねちゃんが伝えたいこと 2.涙の理由

『ねねちゃんが伝えたいこと 1.夢』の続きです。


今日もご覧いただいて、本当にありがとうございます(*^-^*)



ねねちゃんは病院でも人気者でした。
人懐っこく、元気でとっても明るい子でした。
イチと同じ女の子だけど、イチより体も足も大きくてがっちりしています。
下半身が動かないので両前足を使ってあちこち動き回ります。
時々コロンと引っくり返っても自分で起き上がるし、その姿がとってもかわいらしくていつも笑わせてくれました。



ヤギはそのころ、Kと一緒にやってる仕事の他に、もう一つ仕事をしていました。
当時はそこの職場でつらいことがあったり落ち込んだりすることが多く、よくKに話を聞いてもらっていました。
そんな時、Kはねねちゃんの写真や動画を撮って送ってくれました。
ねねちゃんの様子は、ヤギをいつでも笑顔にしてくれました。



「ねね~」
Kが呼びかけると、
「にゃ~」とか「な~」
と何度でも返事をするねねちゃん。
その声が、ピアノで1オクターブ上のファの音を鳴らしているような鳴き方で、それだけでクスクス笑ってしまいます。


ねねちゃんはお顔も目も真ん丸で、本当に愛嬌があります。
感情表現を表すしっぽも動かせないけど、目や口元・声で感情を表す、表情豊かな子です。


食いしん坊で、Kがご飯を食べていると、自分はもう食べたのに欲しがって、下から覗き込むようにKのご飯を見つめます。
人間の食べ物はあげられないので、ねねちゃんは我慢です。


Kが横になると、その腕を枕にしてねねちゃんも横になります。
時々Kがうとうとしてしまい、スマホをねねちゃんの体の上へ落としてしまうと、びっくりして飛び起きるのですが、
「その様子が寝ぼけててまたおかしいんよ(≧▽≦)」
とよくKが笑っていました。


そんなねねちゃんの様子に、ヤギはどれだけ救われたか数えきれません。




Kは本当にねねちゃんをかわいがってくれていました。
「ねねが待っとう!」 (訳:待ってる)
と気にして、早く職場から帰ろうとしていました。
遊ぶの大好きなねねちゃんと、いつも一緒に遊んでいました。
暑すぎる夏も寒すぎる冬も、Kのボロボロのお家でもできるだけねねちゃんが快適に過ごせるように、あれこれ悩み、工夫してあげていました。
ヤギも一緒にあれこれ買い物へ行きました。






だけど、ねねちゃんとKの生活は、そう長くは続きませんでした。
ある日突然、なんの前触れもなく、ねねちゃんは逝ってしまいました。






Kもヤギも、いっぱい泣きました。
もっとこうしてあげればよかったって、いっぱい後悔しました。
Kがバッタくんに連絡すると、
「今までありがとう」
と言われたらしく、それでまた泣きました。




ヤギは未だにねねちゃんの写真も動画も見返すことができません。
病院の先生の見立てでは、ねねちゃんはまだたった2~3才のはずです。
時期を早めてしまったのを、ヤギは自分のせいだと思っています。
食事制限をしているのに、ある時ちょっとだけKがネコ用のおやつをあげてて、それをおいしそうにねねちゃんが食べている動画を見て、それからいつもヤギが買ってあげていたのです。
そのくらいなら大丈夫だろうって、安易に考えていたのです。


それがきっと、取り返しのつかないことになってしまったんです。




このことはずっと誰にも話せませんでした。
Kにも言えませんでした。
ちゃんと向き合うことができませんでした。
ねねちゃんに誤って済むことではありません。


だけど、ちゃんと謝りたいです。


ねねちゃん、ごめんなさい。
本当にごめんなさい。





(このブログを読んでKは、理由はわからないけど、ヤギのせいでもおやつのせいでもきっとないと言ってくれました。ヤギが自分でそう思ってるだけです)






ねねちゃんを思い出すたびに涙が出ました。
毎日泣いていました。
一緒に過ごしたことは殆どなかったけど、ねねちゃんはヤギにとってもかけがえのない存在でした。




ねねちゃんの夢を見たのは、そんなある日のことでした。
目が覚めた時、ヤギは不思議なほど幸せに満たされていました。
どうしてなのかはわかりません。


ねねちゃんは怒ってなんかいませんでした。
それどころか、ヤギのことを心配して夢に出てきてくれたんじゃないかと思います。



ヤギが夢を見る前、Kは少しずつねねちゃんの話をまたするようになっていました。
でもヤギはつらくて、いつも俯いてしまっていました。
だから悲しんで後悔ばっかりしているヤギのことが、ねねちゃんは気がかりだったんじゃないかと思います。
そしてハッとしました。
ねねちゃんが心配していると、天国へ行くのをヤギが引き留めてしまうことになるんじゃないかって。
それはよくありません。



ねねちゃんはもう自由に走り回ることができます。
夢の中で生きてるころの姿だったのは、ヤギがねねちゃんだとわかるためだったと考えられます。
ヤギはねねちゃんに「ごめんね」じゃなく「ありがとう」の気持ちを伝えることの方が大事なのだと気がつきました。
言葉じゃなく、気持ちを伝えるのです。


そしてまた泣きました。
でもそれは、今までの悲しい涙ではありませんでした。
ねねちゃんのいつもの明るい、屈託のない表情に安心し、嬉しいと感じる、あったかい涙でした。
ヤギはねねちゃんに贈り物をもらったんです。






次回に続きます。

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